『第三の男』をテレビの“映画劇場”で初めて観たのは、僕が小学校5年生か6年生の頃だったと思うのです。
それ以来高校生になるまで5,6回テレビで見たように思うのですが、
筋が全く分からなかった。
字幕であったり、吹き替えであったり。。。、
注意して観ているつもりでも、結局、分からなかった。
それなのにどうして『第三の男』にこだわったのか?
あのテーマ音楽です。
チター(zither)の奏でるバックミュージックが僕を画面に惹き付けてしまったのです。
ギターに似ているけれど、ギターの音色とも違うんですよね。
どういう楽器なのだろうか?
その事も、僕の好奇心をかきたてました。
小学生の頃、僕はテレビのアメリカドラマに夢中でした。
『名犬ラッシー』
『名犬リンチンチン』
『ララミー牧場』
『ローハイド』
『ガンスモーク』
ほとんどがアメリカを舞台にしたシリーズ・モノでした。
『第三の男』は、外国映画だったけれど、その当時には珍しくアメリカが舞台ではなかった。
その事も僕の好奇心を駆り立てたようでした。
ウィーンと言う町を初めて目にしたのも『第三の男』の中でした。
社会人になってから、映画雑誌で“あらすじ”を読んで初めて話の筋が分かったのだけれど、
僕にとって『第三の男』は“ミュージックビデオ”のようなものでした。
あのテーマ音楽が聞きたかった。
映像は、言ってみれば、オマケのようなものだったのです。
でも、話の筋が分かってから改めて観直すと、あのテーマ音楽がさらに深みを増しました。
作曲者で演奏家のアントン・カラス(Anton Karas)は1906年7月7日に生まれました。
亡くなったのが1985年1月10日です。
亡くなる2年ちょっと前に、カラスが演奏した『第三の男』のライブが
次の YouTube で聴けます。
Anton Karas
Live in 1982
アントン・カラスはオーストリアで活動したのですが、
生粋のオーストリア人ではありませんでした。
ハンガリー人の家系である工員の息子としてウィーンに生まれ育ちました。
12歳でチターの演奏を始め、15歳の時には、すでにウィーンのホイリゲ(居酒屋)で演奏家として自活していました。
第二次世界大戦の前後を通じて、週に15ドルという安い賃金で妻と3人の子供を養っていました。
そんな彼に転機が訪れたのは1948年のことでした。
ウィーンのホイリゲで演奏中に、映画監督のキャロル・リードに見出され、『第三の男』の音楽担当者に抜擢されたのです。
このテーマ音楽が大人気を呼び、1949年9月には英国王室の招待を受け、バッキンガム宮殿で演奏したほどです。
また、1951年にはローマ教皇の招待を受けてバチカン宮殿で演奏しました。
オーストリアに帰ったカラスは自分のホイリゲを持とうとしました。
ところがうまく行かなかったのです。
なぜ?
カラスの家系がチェコ・ハンガリー系で、生粋のオーストリア人でないこと、
彼の成功にたいする嫉妬、
それに、チターという楽器にまつわる音楽的差別などのためです。
そう言う訳で、アントン・カラスはオーストリア社会から完全に締め出されてしまいました。
それでもカラスはウィーンが好きでとどまり続けました。
カラスが家族を除いて唯一心を開くことのできた友人は、結局キャロル・リードだけだったと言われています。
上のYouTubeの画像にも出てきますが、
並木道をまっすぐにアンナが歩いてきます。
ホリー・マーチンスが道端で待っています。
しだいに近づくアンナと舞い散る枯れ葉。
アンナは、かたわらのマーティンズに一瞥もくれずに、そのまま歩きつづけます。
そこでチターがチャリリン…と鳴ってテーマ音楽が流れます。
この最後のシーンは映画史に残る名場面ですが、実は、これは当初の予定にはなかったそうです。
通俗的なハッピーエンドとなるはずだったのだそうです。
それがハッピーエンドに終わらなかったので逆に、深い余韻を残すようになったのでした。
【 あらすじ 】
ネタバレ注意!
米国の作家ホリー・マーチンンス(ジョゼフ・コットン)は、旧友ハリー・ライムに呼ばれて、四国管理下にある戦後のウィーンにやって来ます。
しかし、ハリーは自動車事故で死亡し、まさにその葬式が行われていました。
マーチンスは墓場で英国の憲兵キャロウェー少佐(トレヴァー・ハワード)と連れになり、ハリーが闇屋であったときかされるのですが、信ずる気になれません。
ハリーは生前女優のアンナ(アリダ・ヴァリ)と恋仲でした。
彼女と知り合ったマーチンスは、彼女に対する関心も手伝ってハリーの死の真相を探ろうと決意します。
それで、ハリーの宿の門衛(パウル・ヘルビガー)などに訊ねた結果、彼の死を目撃した男が三人いることをつきとめます。
そのうち二人はようやく判りますが、“第三の男"だけはどうしても判りません。
そのうちマーチンスは何者かに脅かされはじめます。
もう一度確かめようとして会いに行ったら、門衛も殺されていました。
一方アンナは偽の旅券を所持しているのが見つかってソ連の憲兵に粒致されてしまいます。
それとも知らずに彼女の家から出て来たマーチンスは、街の物蔭で死んだはずのハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に出会うのでした。
ハリーがペニシリンの大闇で多数の人々を害した悪漢であることを聞かされていたマーチンスは、これをキャロウェー少佐に知らせます。
すると、アンナの釈放と引きかえに彼の逮捕の助力をするようキャロウェーから要請されるのでした。
マーチンスはハリーとメリーゴーラウンドの上で逢い、改めて彼の兇悪振りを悟り、親友を売るもやむを得ずと決意します。
しかし、釈放されたアンナはマーチンスを烈しく罵るのでした。
病院を視察してハリーの流した害毒を目のあたり見たマーチンスは、結局ハリー狩りに参加、囮となって彼をカフェに誘うのです。
現れたハリーは警戒を知るや下水道に飛込み、ここに地下の拳銃戦がくりひろげられます。
追いつめられた彼はついにマーチンスの一弾に倒れるのでした。
こうして、改めてこの“第三の男"の埋葬が行われた日、マーチンスは墓地でアンナを待ちます。
しかし、彼女は表情をかたくしたまま彼の前を歩み去ってゆくのです。
『第三の男』
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こんにちは。ジューンです。
『第三の男』もいいですけれど、
たまには、笑うのもよい事ですよね。
落語だとか漫才とか。。。
実はねぇ、卑弥子さんが
面白い話をまとめて編集しました。
もし、あなたにお時間があったら
ぜひ次のリンクをクリックして読んでみてくださいね。
■ 『あなたが笑って幸せになるサイト 【笑う者には福が来る】』
わたしも覗いてみました。
結構、面白いお話がありますわ。
あなたも読んでみるといいわ。
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあ、バ~♪~イ。