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オンライン自動翻訳利用法
マハ は Maja
それとも Maya? by Akira Kato
September 18, 2003
『裸のマハ』と『着衣のマハ』
【原文】 スペイン・マドリードのプラド美術館を訪れる観光客が、多分一番お目当てにしているのは、なんといってもゴヤ作の『裸のマハ』と『着衣のマハ』でしょう。 このマハは、美術史始まって以来、最初のヌード画だと言われています。 【訳文】 It is "naked MAHA" and "MAHA of clothes" of the Goya 作 that the tourist who visits the PURADO art museum in Spain Madrid is probably making it the guide most, whatever it may call it. This Maya has been said to be the first nude drawing since history 始まって of fine arts.
Translated by Nifty online translation (Nifty 翻訳)
http://www.nifty.com/globalgate/. “なぜ『裸のマハ』と『着衣のマハ』があるの?” より抜粋。 ご覧のようにNifty自動翻訳では訳してくれません。カタカナで書いた場合、コンピューターは固有名詞と見なしてローマ字で書いて訳したことにするか、 あるいは、ものぐさなコンピューターは、そのままカタカナで表示して何もしません。 ちなみに AltaVista サイトでも同じように訳してみました。次に示すのがその結果です。 上の表示はこのページにフィットするように変えてあります。 AltaVistaでも、訳してくれません。全く無視して、そのままカタカナで表示しています。しかし、同じカタカナでも「スペイン」、「プラド」、 「ヌード」などはアルファベットで表示しています。つまり、コンピューターにとっても「マハ」をどのようにアルファベットで表示するかは決めがたいのでしょう。 マハ は Maja それとも Maya? やはり、コンピューターにとっても難しいようです。Mayaとすると一般的に「マヤ文明」の「マヤ」と受け取られてしまいます。 それならば Maja とすべきか? しかし、 “Maja” をローマ字読みすると、たいていの日本人は「マハ」とは読みません。「マジャ」と読みます。 試しに Google.com の自動翻訳サイトでスペイン語から英語に訳してみると次のような結果を得ます。 “Maja” を普通名詞と解釈して “Smart one” と訳しています。これではこのページの回答になっていません。 何かよい方法はないものかと考えたあげく、Google.com サイトでどちらのほうが多く採用されているか調べてみることにしました。 上の表示はこのページにフィットするように変えてあります。 上の結果で見ると分かるように、“Maya” のほうを採用しているウェブページのほうが ヒットの数にして1790だけ多いのです。 従って、この場合多数決の原理に従って、私は “Maya” のほうを使うことにしました。 このように言うと中には異議を申し立てる人がいるかもしれません。 「スペインではMajaを使っている場合が圧倒的に多いからそのように書くべきだ!」 あるいはこのように言う人が居るかもしれません。「日本ではマハと呼ばれているんだから、ローマ字でMahaと書けばいいじゃないか!」
そう思って試しにGoogleサーチしてみると、下に示すように、これが意外にも居るんです。 しかし、上の表示をよく見てください。これは日本のサイトではないんです。なんとスペインのサイトなんです。何か手がかりが得られそうだと思って、 リンクをクリックして、そのページへジャンプしてみると、幸いなことにスペイン語ではなく英語で書いてありました。
The word “Maja” used to describe the women in these two paintings, is in fact,
a recent title, despite the fact that the term existed in the 18th Century;
it was used to refer to women of the lower social class in Madrid who were
characterised by certain liberal customs and an extroverted way.
However, the titles of these paintings as recorded in the inventory of the personal effects of Charles IV’s Minister, Manuel Godoy, their first owner, used the word “Gitana” (“Gypsy”). It is thought that the paintings were part of a mischievous game of that period whereby the clothes of the Clothed Maja are arranged over her body in such a way as to make her seem more naked than her nude counterpart. The technique employed by Goya certainly accentuates this aspect: the brush strokes with which the Clothed Maja is painted are loose, soft and very free, which contrast with polished academic perfection of the Nude Maja. In both cases the woman’s head, showing a plain face wearing a bit of a smile, is of little importance when considering the beauty of the bodies. 上の記事を訳すと、大体次のような意味になります。
これら2枚の絵の中の女性を呼ぶのに使われている単語“Maja”は実は最近になって付けられたものです。
もちろん、その言葉自体は、絵が描かれた18世紀にもありました。
Majaという言葉は、当時、付き合いが上手でちょっと尻の軽いマドリッドに住む下層階級の女を呼ぶときに使われたのです。
しかし、国王カール4世の大臣であったマヌエル・ゴドイ(この2つの絵の最初の所有者)の個人財産目録には、 これらの絵画のタイトルとして「ジプシー女」(「ジプシー」)という言葉が記録されていました。 この2つの絵は当時の悪ふざけの類(たぐい)だと考えられています。どういうことかというと、衣服を身に着けているマハの絵のほうが、 裸のマハよりも、もっと裸であるような印象を与えるように描かれているということです。 ゴヤが使ったテクニックはこの点を特に強調しています。衣服をまとっているマハを描いた時には、ゴヤは軽快でソフトなタッチで、しかも自由な筆使いで描いています。 これは、磨き上げたような学術的でほぼ完璧に描かれた裸のマハとは対照的です。 どちらの場合でも、体の美しさ考慮する時、ちょっと微笑を浮かべたような、ごく普通の女性の表情をした頭部はほとんど重要ではありません。 “Maha” とは日本だけで使われているのかと思ったら、さにあらず。なんと、この288のページで日本語のサイト(.jp)のものはたったの一つです。 圧倒的にエストニア(.ee)のサイトが多いように見受けました。その次がドイツ(.de)のようです。後はまばらに次のような国が出てきます。イタリー(.it), フィンランド(.fi)、 スイス(.ch)、 ロシア(.ru) ブラジル(.br)、 フランス (.fr)などのサイトが見られます。 日本のサイトがたったの一つだけというのは本当に意外でした。いかに日本人が海外の文化を吸収して、 言葉や読み方までその国のものを取り入れてしまうかということを良く物語っていると思います。 いずれにしても、インターネットの性格を考えれば、やはり、グローバリゼーションが重要になるんじゃないでしょうか? ということは、Mahaだけを使ってページを書くと、先ず多くの人に読んでもらえません。私のように物好きな者でない限り、ゴヤの描いた『裸のマハ』を検索する時に サーチエンジンに“Maha”と入れる人は先ず居ないでしょう。やはり “Maya” か “Maja” を入れることになります。 ゴヤの描いた絵をどのように呼ぶべきか、ではなく、インターネットでどのように呼ばれているのが最も多いか?ということが問題になるのではないでしょうか? 言葉は生き物です。どう呼ぶのが良いとか悪いとかの問題ではありません。使われなくなる言葉は結局廃れてゆく運命をたどります。 ということは、ゴヤの描いた絵を調べる時に、少なくとも3つのうちで、今のところ“Maya”が最も活力のある言葉だと言うことになります。
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