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オンライン自動翻訳利用法
Venusはカタカナで
どう書くのがいいの? by Akira Kato
August 28, 2003
オンライン自動翻訳ではどう訳されているのか見てみましょう 例によって Nifty翻訳サイト (http://www.nifty.com/globalgate/) で Venusの入った文章を訳してみました。 The role of Aphrodite was assumed by Venus—an erotic Roman goddess portrayed with golden locks. Venus also inspired prostitutes to pick up the peroxide bottle. アフロディーテの役はVenus—によって引き受けられました;金髪で描写されたエロチックなローマの女神。 ビーナスはさらに売春婦を過酸化物ボトルを拾い上げるように促しました。
“When did gentlemen start to prefer blondes?” より抜粋。 「ビーナス」と「ヴィーナス」。一体どちらが多く使われているかを見るために Google.com のサーチボックスに入れてみました。次に示すのがその結果です。 (画像はこのページに収まるようにアレンジしてあります。) 3人いれば2人が「ヴィーナス」と書き、残りの1人が「ビーナス」と書くということになります。私自身は「ヴィーナス」と書くことが多いのです。 なぜかというと翻訳することが多いせいか 「ビーナス」だとbenusを連想してしまいます。しかし英語を勉強したことがない人に 「ヴィ」という文字を見せたら、どのように発音するのか迷ってしまうでしょう。実は私も小学生の頃、この字を初めて見た時に、 一体どのように発声するものかと迷った経験があります。 しかし、たとえ英語を知っていても「ヴィーナス」という字を見て、日本人同士の会話の中でVenus(ヴィーナス)と発音する人はまずいないでしょう。 なんとなくキザに聞こえたり、わざとらしく聞こえたりします。私自身も「ヴィーナス」と書いても発音は「ビーナス」と言うことが圧倒的に多いのです。 多分、日本人であるなら、会話の中で使われるVenusは「ビーナス」と書くのがごく自然のような気がします。おそらく100人のうち98人までが ビーナスと言っているだろうと思います。実際に声を出して使われない文字は廃れてゆくと言うのが言葉の運命です。
上の表のピンクのバックグラウンドで示した5つの文字は、もうほとんど使われなくなりました。しかし、奈良時代・平安時代の人たちは、 ちゃんと区別して使っていたようです。 現在 WU などは U と全く区別なく使っています。昔はおそらくWU を表す文字があったのでしょうが、どうも現在に伝わっていないようです。 私は O と WO でさえ、全く区別なく発音しています。 昔の人たちが区別していたことがどうして分かるかと言うと、ちゃんと証拠が残っているのです。 「いろは歌」と呼ばれるものがありますが、これは平安時代に作られたものだそうです。あたなも先ず間違いなく知っている歌です。次に示します。
色葉(いろは)匂へど 散りぬるを、 上の歌を見ても分かるとおり、ちゃんと「い」と「ゐ」、「え」と「ゑ」を区別しています。しかし、もうこの時には、yi、 ye、 wu は脱落していたようです。 いろは歌は日本語の音(おん)の四十八字音の配列によるもので、仏教の教理を示す今様調の歌だそうです。 この歌は平安初期の弘法大師の作である、という説がありますが、歌の構成上その他からみて、平安時代の未にできたもので、 弘法大師の作ではないという学者もいます。この歌についてもっと精しく知りたいときには、このページ (いろは51文字に隠された秘密) を見てください。 要するに、絶対にこうでなければならない、というような書き方はないでしょう。ただ言えることは、普通に日本人が発音するなら、「ビーナス」と言うのに、 書くときは「ヴィーナス」と書くのは、それだけ英語を勉強している人が多くなっているからだと思います。 従って、これからは、ますます英語を話す人が増えるでしょうから、この傾向は続くかもしれません。
最初のVenusはなぜ訳されてないの? Venus のすぐ後に em dash (—) が続いているので、 コンピューターはこの2つを合わせて一つの単語として見てしまうのです。それで辞書を探してもこの一続きになった単語が見当たらないので、 上のようにそのままの形で表示しているわけです。 ウェブページで使うことのできる特殊な文字を知りたいときは、このページ (Do you want to know the codes for HTML special characters?) を見てください。
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