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Sunovagun
by Akira Kato
January 7, 2004
Etymology (言葉の起こり) 初めて、この単語にお目にかかったとき、実は私の素朴な印象は次のようなものでした。 この単語、元々は聖書から来たものなんです。 『聖書』からは、さまざまな言葉が生まれましたが、この単語も、元をただせば、 新約聖書のマルコ伝から出たものです。マルコ伝の19章39節に次のように出ています。 Mark 15:39 (King James Version) マルコの福音書によれば、この百人隊長が「この方はまことに神の子であった」と言ったわけで、この言葉から、 イエスは神の子、つまり、the son of God と言うようになったわけです。 しかし、ここで、ちょっとした問題点を指摘しておきます。 ギリシャ語では、ここのところが次のようになります。 hO ANQRWPOS hUOIS QEOU HN. 元々 hUIOS (son) には、定冠詞(the) が付いていないんですね。だから、上のセンテンスは次のようにいろいろと訳せます。
一体、どれが正しいの? ある言語学者によると、この問題は、ギリシャ語の文法にあるアポロニウスの法則によって解決できるそうです。 その法則とは一体どういうものかというと、 例えば、John’s hat, man’s fate, week’s vacation といったように 2つの名詞が現れ、一方が他方を修飾するような場合、それぞれの名詞に冠詞が付く場合もあるし、付かない場合もあるという法則なのです。 ここに挙げた3つの例では、どの場合にも冠詞は付いていません。 従って、どのような場合に冠詞を付けるのかということは、人それぞれ判断が違ってくるかもしれません。 いずれにしても、上のマルコ伝の翻訳者は、19章の文脈から son の前に定冠詞をつけたようです。 ところで、 hUOIS という単語は冠詞無しで使われています。それは述語として使われているためです。 QEOU (god) という単語は hUOIS が無冠詞で使われているのに合わせるために冠詞を付けずに書いているわけです。 従って、the Son of God に当たるギリシャ語の句は英語に訳すと次のような訳が考えられるのです。
ふさわしい冠詞を選ぶというのは、冠詞がない日本語のような言葉だけしか知らない人にとっては、頭の痛いことです。 私も、このことには常に悩まされています。 マルコ福音書は紀元60年から70年にかけて書かれたものですが、 “sunovagun” は、明らかにずっと後になってから出来た言葉です。おそらく20世紀になってから使われるようになったのでしょう。 もし、誰がいつ、この言葉を書物に書き始めたのか、ご存知の方が居たら、ぜひ教えてください。 Noun (名詞)
Synonyms (同義語)
Usage
Med students cheat death, only to find that death is a sneaky sunovagun.
Sunovagun! He did it.
I’m just tellin’ ya. That chap is a two-faced lying son of
a ho. 実は、ho も辞書に載ってない俗語です。詳しくは上のリンクをクリックしてください。新しいウインドーが開きます。
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