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愛と無常
by デンマン & レンゲ
2008年10月18日
手を離さないで
果つる世に
ともにありたし
息絶えて
つなぐ手と手の
離れぬままに by merange (めれんげ) 2006.10.19 Thursday 00:42 comments(674) | trackbacks(1) (2008年10月12日午前7現在)
デンマンさん。。。、また今日も、この短歌ですか?
この短歌ですかって。。。よく覚えていますねぇ~? だってぇ、次の記事でデンマンさんが取り上げた短歌と同じものですわ。 確かにそうですよう。。。それにしてもレンゲさんは、よく覚えていますねぇ~? 4日前の事ですもの。。。覚えていますわよう。どうしてまた取り上げたのですか? 気になることがあって。。。 いったい、何が気になるのですか? ちょっと歌の感じが、あまりにも古風というか。。。時代がかっているでしょう?。。。この世では思いがかなわないので、あの世で恋を成就(じょうじゅ)しようと言うような。。。僕はめれんげさんの上の短歌を読みながら近松門左衛門の世界を考えていたのですよう。 近松門左衛門ですか? そうですよう。あの『心中天の網島』ですよう。
心中天網島
(しんじゅうてんのあみじま)
紙屋の治兵衛は二人の子供と女房がありながら、曽根崎新地にあった当時の高級クラブ「紀伊国屋」の遊女(高級ホステス)小春とおよそ三年にわたる馴染み客になっていた。 ある日小春は侍の客と新地の「河庄」(別の高級クラブ)にいた。 開け放しておいた窓を閉めようと小春が立った時、突然、格子の隙間から脇差が差し込まれた。 窓明かりから小春を認めた治兵衛は窓の側で話の一部始終を立ち聞きしていたのだ。 すると治兵衛を格子に括った侍が今度は間に入って治兵衛を庇い、太兵衛を追い払った。 話を知った治兵衛は怒り、きっぱり小春と別れる事を決めて小春から起請文を取り戻した。 それから10日後、きびきびと働く妻のおさんを見ながらも治兵衛はどうにも仕事に精が出ず、炬燵に寝転がってばかりいた。
そんな夫の不甲斐無さを悲しむおさんだが、「もし他の客に落籍されるような事があればきっぱり己の命を絶つ」という小春の言葉を治兵衛から聞いたおさんは彼女との義理を考えて太兵衛に先んじた身請けを治兵衛に勧める。 おさんの折角の犠牲も全て水の泡になってしまったのだった。 望みを失った治兵衛は虚ろな心のままに新地へ赴く。 そして1720年10月14日の夜明け頃、二人は俗世との縁を絶つために髪を切る。
1969年(昭和44年)には、篠田正浩監督により映画化された。 めれんげさんの短歌が、治兵衛と小春が心中する直前に詠んだ歌のように思えたのですよう。 マジで。。。? もちろん、僕は大真面目ですよう。 めれんげさんの短歌が、それ程思いつめて書いたように感じられたのですか? だって、そうでしょう。。。この世ではどうにもならないから、あの世に行って思いを遂げようという訳ですよう。 デンマンさんは、そういう生き方がイヤなのですか? もちろんですよう。第一、あの世なんて僕には信じることができませんからね。 “生きているうちが花だよ。
死んで花実が咲くものか!” 生きていればこそ良いこともある。死んでしまったのでは再び良いことに巡り会うことは出来ない。死んだらお終(しま)いですよう。 でも、生きていたからって良い事だけがあるわけではありませんわ。 だから、悪い事、嫌な事をする必要はないのですよう。 でも、口で言うように、なかなか思い通りに行かないものですわ。 レンゲさんが言うことも良く分かりますよう。そう言えば、卑弥子さんと『心中天の網島』のことで語り合った事があるのですよう。その時の対話を書き出してみます。レンゲさんも読んでみてください。
あの世にしか救いはないのか?
治兵衛を見てくださいよ。吐き気を催(もよお)させるほど嫌な生き方をしているじゃありませんか!現代人が見たら、おそらく、ほとんどの人が治兵衛をだらしない男、不甲斐ない男だと思うでしょうね。。。しかも、最後に小春を殺して自殺するのですよ。僕にはとても受け入れる事ができない生き方ですよ。
もし、その時デンマンさんが生きていたとして治兵衛さんの立場に居たとします。デンマンさんはどうするのでござ~♪~ますか? 小春をつれて長崎に行きますね。それでオランダ商館に逃げ込んでオランダへ連れて行ってもらいますよ。 もしオランダ商館の人がダメだと言ったら? そしたら長崎の中国人の家に頼み込んで、しばらく中国語を勉強させてもらって、それから中国人に成りすまして小春を男装させ、船員になって日本を脱出しますよ。 デンマンさんならば、やりそうでござ~♪~ますわぁ~。おほほほほ。。。 とにかくねぇ、しばらくぶりに日本に戻ると、僕は現在でも自分の身の回りに、この“義理と封建制”を感じますよ。 たとえば。。。? 本音は、しばしば正直に表現されない。たいていの人が社会・立場から期待・要求されるように行動していますよ。つまり、本音で生きている人は極めて少ない。 具体的には。。。? “礼儀”だとか、“近所付き合い”とか、“親戚付き合い”、“しきたり”。。。それに、“家族の期待”、“両親の期待”、“世間からどう見られるか?思われるか?”。。。カナダやアメリカならば、考えなくても良いことで悩んでいる人が日本にはたくさん居ますよ。もちろん、上の例のような“禁じられた恋愛”もある。でも、江戸時代のように心中する人はほとんど居なくなりましたよね。そこまでしなくても、最近では、好きな人と同棲する事は、それ程難しい事ではない。 江戸時代には、好きな人と同棲する事はできなかったのでござ~♪~ますか? だから、そうしようとすると、家族が寄ってたかって、上のような事件になってしまうのですよ。それでも江戸時代には情死(心中)が美化されていたのですよ。それがロマンになっていた。つまり、好きな人ができて、それが“禁じられた恋愛”であれば、相手と結ばれるには心中する以外になかった。僕のように長崎に行って密航しようと思っても、当時の日本には関所があるから、家出した時点で手配書が関所に配られてつかまってしまうかもしれない。だから、確かに、心中する以外に方法が無かったのかもしれませんよね。心中した者の名鑑が発行されるほど心中事件が多かった、と書いてありますよ。この風潮を憂えた江戸幕府は『心中は社会秩序を乱す行為』として心中禁止令を出した。 未遂に終わった場合はどうなるのでござ~♪~ますか? たとえ未遂に終わったとしても、当事者は町中でさらし者にされた後、身分を奪われた。死亡した場合、亡骸は罰として家族に引き取らせなかった。野犬や野鳥が食い荒らすままにしたというのですよ。 それは、ちょっとひどすぎますわア。 それでも心中事件は無くならなかったのですよ。つまり、上のような“禁断の愛”の場合、唯一の窮地からの解決策が心中だったのですよ。 現在は、そう言う事が無くなって、幸せな時代になったわけでござ~♪~ますわね。 いや、今でも日本は本音と建前の社会ですよ。 そうでしょうか? その証拠に先進国の中で自殺者が日本は一番多いのですよ。1年に3万人以上。1日に約100人の人が自殺しているのですよ。つまり、1時間に4人が自殺しているのですよ。 どうしてですの? 自殺する以外に解決策が見出せないと思ってしまう社会が現在の日本だからですよ。心中は江戸時代に比べて確かに少なくなったけれど、本音で生きる事が難しい事に変わりがないのですよ。つまり、本音で生きてゆけないから、唯一の窮地からの解決策が自殺ですよ。 現在は江戸時代から比べれば、本当に自由な時代だから、確かに心中する人は極めて稀になりました。 良い時代になりましたわね。 レンゲさんも、そう思いますか? もちろんですわ。 おそらく『心中天の網島』を読めば、めれんげさんだって江戸時代から比べれば、現在の日本は自由な世界だと思うのですよう。 そうでしょうね。 でも、それなのに、めれんげさんは治兵衛と小春が詠むような短歌を詠む。なぜ。。。?だから僕は気になったのですよう。 どうしてでしょうか? レンゲさんは他人事のように言いますねぇ~。。。? だって、あたしは、めれんげさんのような短歌は詠まないと思いますわ。 いや、レンゲさんだってめれんげさんのような短歌を詠みますよう。 あたしが詠まないと言っているのですから、信じてくださいな。 でもね、僕はレンゲさんの無常観について読んだことがある。 あたしが、そのような事を書いていました? 書いていましたよう。ちょっと読んでくださいよう。
レンゲさんへの質問
2007-04-22 17:10
質問126:
レンゲさんは、愛する人と一生一緒に
わたしには、誰かの人生に責任を持つほどの デンマンさんは、あたしが書いたモノは何でも保存しておくのですか? そうですよう。。。いけませんか? かまいませんけれど。。。こういう時に持ち出されるのって。。。本当に都合が悪いものですわ。 でも、自分の無意識に気づかされ。。。急に鏡の前に立たされたように、身が引き締まる思いがするでしょう。。。どうですか? 分かりましたわ。それで、デンマンさんは何がおっしゃりたいのですか? 現在は江戸時代から比べれば、“しがらみ”が少なくなって何でも自分の好きにやれるようになっている。でも、わざわざ“しがらみ”の中に自分を追い込んでゆくような人が結構居るのですよう。 あたしもそのうちの一人だとデンマンさんはおっしゃるのですか? そうですよう。レンゲさんが書いた次の手記を読んでください。
不倫の果てに…
不倫と呼ばれる恋愛について、どんなイメージを抱かれますか? ある既婚男性のことを、 そこから、彼はわたしのことを「彼女」だと呼ぶようになりました。 でも、長い間モーションをかけ続けておいて、セックスして、 彼とは、毎日のように会っていました。 でも、わたしの頭には、 そのうち、彼から その時点ではその言葉は、彼の本音だったと今でも思います。 つまりわたしは、妄想に苦しめられていたのです。 わたしはいつも、恋愛を通して自分も相手も 世間のすべての不倫カップルがそうだとは おそらく今、会ったとしても、お互い自分の残した 最初の頃のときめき。 本当は、彼と和解したいと考えている自分がいます。 by レンゲ 2004-07-21 10:11:08 あたしは、この不倫から、もう立ち直りましたわ。 そうです。僕もレンゲさんの口から何度もその事を聞いていますよう。 それなのに、どうしてデンマンさんは、何度も何度も、こうしてこの手記を持ち出すのですか? 実は、めれんげさんにもレンゲさんと同じような苦い不倫の経験があるのですよう。 つまり、めれんげさんの不倫の相手がデンマンさんだったのですね? やだなあああぁ~。。。急に根も葉もない事を言わないでくださいよう。初めて僕の記事を読む人は誤解してしまいますよう。 それで、めれんげさんの無常観も苦い不倫の経験と関係があるとデンマンさんはおっしゃるのですか? そうですよう。レンゲさんも、めれんげさんも不倫の経験から多くの事を学んだと思うのですよう。 その通りですわ。あたしの不倫はその時だけで、前にも後にも不倫した事はありませんわ。 そうですよう。不倫だと思うなら、不倫などすべきではないのですよう。 それで、その苦い不倫の経験と無常観がどのように関係しているのですか? レンゲさんも苦い不倫の経験に懲りて、もう2度と不倫しないという強い心構えができている。 そうですわ。 でもねぇ、不倫の苦い経験から、人の心の無常さを無意識のうちに心に刷り込まれてしまっている。 めれんげさんも、そうだとおっしゃるのですか? そうですよう。だから、めれんげさんの短歌に、その無常さが無意識のうちに表れてしまう。 果つる世に
ともにありたし
息絶えて
つなぐ手と手の
離れぬままに この世は無常だ。でも、愛する人と、いつまででも一緒に居たいと言う強い願望は不倫の苦い経験から刷り込まれたものだと僕は思ったのですよう。この短歌に、心中した治兵衛と小春の強い願望を僕は見たのですよう。
【レンゲの独り言】
ですってぇ~♪~。。。 あたしには、めれんげさんがそれ程までに無常観を意識しながら上の短歌を読んだとは思えないのです。 即興で読んだ短歌です。 あさっても、面白い話題が続きそうです。
メチャ面白い、
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■ 『きれいになったと感じさせる
下着・ランジェリーを見つけませんか?』
こんにちは。ジューンです。
“本音と建前”
よく聞きますよね。
さて、英語で何と言うのでしょうか?
考えてみた事がありますか?
いろいろと言い方があると思います。
appearance and reality
見かけと実物そのまま これも本音と建前と言い換えることができますよね。
form and substance
外観と実体 これも本音と建前と同じですよね。
one's real intention and
what one says on the surface 本音と建前を説明しているのですよね。
real motive and stated reason
これも間違いなく本音と建前ですよね。
what one says and what one means
本音と建前をこのように言うこともできますよね。
では、「本音と建前を使い分ける」を
英語でどのように言うのでしょうか?
ちょっと考えてみてください。
次のように言うことができます。
You should be tactful as to
when to tell real intention
and when to show form. ところで、英語の面白いお話を集めました。
時間があったら覗いてみてくださいね。
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
YouTube 動画
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