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母の証明
by デンマン & 卑弥子
2009年8月25日
監督も脚本家も原作もひどいな、これは。
ありえない偶然の連続。 この内容のどこが
「人間の証明」なんでしょう? 「ストウハ」→「ストローハット」→「麦わら帽子」 「キス・ミー」→「霧積温泉」って 超強引な発想の転換が いともたやすくなされた時点で、 ああこれはサスペンスでも ミステリー映画でもないんだって 思いっきり興醒め。
デンマンさん。。。また、この酷評を持ち出したのでござ~♪~ますか?
あのねぇ~。。。タイトルを選ぶ事はとっても重要だと僕は思うのですよう。あの松本清張さんもタイトルを選ぶのが名人の域(いき)に達していた、と言われている。森村誠一さんも業界ではタイトルを選ぶのがうまいと言われているのですよう。少なくとも僕はそう書いてある小文を読んだ事がある。確かに、森村さんの作品のタイトルを読んでいると興味をそそられるようなタイトルが多いから、僕も納得できる。 でも、「人間の証明」と言うタイトルには問題があるとデンマンさんはおっしゃるのですか? そうですよう。半分、成功して、半分、失敗している。 どう言う事でござ~♪~ますか? 僕が「人間の証明」と言うタイトルをおぼろげながらにも記憶していたのは、「人間の条件」を調べている時に出会ったタイトルだったからなのですよう。
Subj:じゃあ、今夜はこれまで...
ジェームズ・ヘリオットさんの本を読みながら 眠ります。。。 \(*^_^*)/ キャハハハ。。。
Date: 10/08/2009 2:28:02 AM あのね 霧積(きりづみ)温泉には そうですよう。。。そうですよう。。。
碓氷峠の見晴らし台に うん、うん、うん。。。。
そこから 霧積温泉まで 山道で中山道が 3時間も歩くのは大変だね? \(^δ^)/ キャハハハ。。。
「人間の証明」で麦わら帽子を この「人間の証明」と麦わら帽子のことでずいぶんと調べましたよう。 でも、思い出しましたよう。 なぜ麦わら帽子? 森村誠一が小説を書く20年ほど前、大学3年生のときに霧積温泉に行った。
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね? 母さん、あれは好きな帽子でしたよ、 母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、 母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう? 母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、 『西条八十詩集』(弥生書房)より この詩を初めて読んだ時、僕はそれほど感動しなかった。 小百合さんはたぶん映画かドラマを見たと思うのだけれど、 小百合さんのために書き出します。
《ネタバレ注意!》
1) ストーリーは序盤30分で概ね読めたので、あとはツッコミ入れ放題。 2) 公開当時のプロモーションの力の入れようを思い出します。 3) むかーし、やたらと話題になったことをうっすらと覚えているのですが鑑賞してみたらこれはちょっとひどいんでないかいと思ってしまった。 4) 原作未読。あのファッションショーの意味の無さ、時間の長さは異常ですな。 5) 序盤はかなり驚かされました~!! 6) 角川映画中後期映画群によって映画の愉しさに目覚めた自分は、当時角川印のいわゆる超大作が公開されるたんび、世論で大バッシングが起きるのを不思議な気持ちで見守ってました。 7) 原作のドラマ性・キャスト・制作費は糸目がつかないくらいに豪華なのに、肝心の出来はというと、まるで面白くない。 8) 松田に、三船に、鶴田…。この3人の共演というだけでも観る価値があります。というか、観るべき点はそれぐらいか。 9) 「キスミー」へ行くと言い残しニューヨークのハーレムを去ったジョー山中演ずる一人の黒人。 10) 当時、まだ小学低学年だった私の周りの子ども社会にまで「母さん、僕のあの帽子…」のフレーズが轟いてた記憶があるので、世間一般では相当話題になった作品だったんでしょうね。 11) ストーリーは御都合主義オンパレードだが、出演者が超豪華! 12) チープさも含めて、当時の角川映画の勢いを感じます。 上の批評・感想を読むと映画の出来はどうやらイマイチだったようだけれど、小百合さんが書いたとおり、「麦わら帽子を 渓谷で落して亡くした」というフレーズは、ずいぶんと有名になったらしいね。 小百合さんのおかげで興味深い記事が書けそうです。 (\__/) じゃあねぇ~ Zzzzzz...
。。。んで、「人間の証明」のどこに問題があるのでござ~♪~ますか?
「人間の条件」と比較されてしまったのではないか?。。。僕は、まずそう思ったのですよう。 「人間の条件」と比較すると、「人間の証明」はイマイチなのでござ~♪~ますか? あのねぇ~。。。「人間の条件」の映画を観たら次のように言う人はまず居ませんよう! この内容のどこが
「人間の条件」なんでしょう? どうしてでござ~♪~ますか? 僕は大学生のころ映画で『人間の条件』の全編を観たのだけれど、まさに「人間の条件とは何か?」を考えさせられながら引き込まれるように観たものですよう。 僕は宮下順子さんのファンでした。 でも、裸になって、順子さんが事に及ぼうとすると、僕は吸い込まれるように魅せられたものです。 小学生の頃はチャンバラ映画でした。 大学生の頃と社会人になってからは、もっぱら日活ロマンポルノでした。 前から2列目か3列目の席で、椅子に寝そべるようにして引き込まれるようにして観たのでした。 分かるでしょう?。。。当時は日活ロマンポルノが全盛の頃だったのですよう。真面目な映画を作っても儲からないと言うような風潮があったと思うのですよう。 それなのに、ポルノにハマッていたデンマンさんがどうして『人間の条件』を8時間以上もかけて1日で観る気になったのでござ~♪~ますか? あのねぇ~、僕が中学1年生の頃だと思うけれど、『人間の条件』をテレビでやったいたのですよう。確か、加藤剛さんと新玉美千代さんが主人公だったと思うのですよう。
日本テレビでやっていたのだと思う。字幕の背景に上のロダンの『接吻』が映し出されていたのを今でもはっきりと覚えていますよう。 つまり、テレビで観ていたので、懐かしくなって、まとめて1日で観る気になったのでござ~♪~ますか? そうですよう。テレビで観ていた時には毎回見たわけではないから、ぜひ全編を観てみようという気持ちになったのですよう。 五味川純平(ごみかわじゅんぺい)さんの原作も読んだのでござ~♪~ますか? 読みましたよう。高校生の時でした。 。。。んで、全編を8時間以上かけて観て感動したのでござ~♪~ますか? 感動しましたよう。 つまり、『人間の条件』というタイトルに負けないほど感動を与える映画だったのでござ~♪~ますか? そうですよう。「人間の条件とは何か?」を考えさせてくれる8時間以上の大作だったのですよう。あの映画を8時間かけて観終わって、次のように言ったとしたら、その言った人が大馬鹿者ですよう。 この内容のどこが
「人間の条件」なんでしょう? でも、中には、そのような感想をもらした人が居たかも知れませんわ。 あのねぇ~、もし、そう思ったら8時間も映画館の中でつまらない思いをせずに途中で出てしまいますよう。 それも、そうですわねぇ~。。。おほほほほ。。。つまり、「人間の証明」と言う映画はタイトル負けをしていたのでござ~ますか? そう思いますよう。だから、次のようなことを言う観客が居たのですよう。 この内容のどこが
「人間の証明」なんでしょう? デンマンさんは、どう思うのでござ~♪~ますか? 上の感想を漏らした人ばかりでなく、映画の感想を読むと、10人のうち8人までが失望しているのですよう。つまり、映画は原作の核心を観客に伝えることに失敗したことが実に良く分かるのですよう。 『人間の条件』は核心を伝えていたのですか? 8時間以上の大作ですからね。つまらない映画だったら、僕も途中で退場していましたよう。観る人の心を充分に惹きつけるだけの魅力ある映画だったのですよう。あんまり引き込まれて観続けたので、僕は映画を観た後で1週間ばかり尻が痛かったのですよう。うしししし。。。 マジで。。。? もちろん、悪い冗談ではありません。8時間以上映画を観続けたなんて、その時が最初で最後でしたよう。 。。。んで、「人間の証明」の映画は、どこがいけなかったのでござ~♪~ますか? 司馬遼太郎先生の言葉をもう一度思い出してください。
つまり、直接的にも間接的にも、何らかの方法で森村さんが体験したような戦争体験を持たないと、「人間の証明」の核心が理解できないとデンマンさんはおっしゃるのでござ~♪~ますか?
そうですよう。あの映画では、森村さんが体験したような戦争体験が観客に伝わらなかったのですよう。 でも、「人間の証明」は戦争とは直接関係ないのでしょう? もちろん、戦争を描いている映画じゃない。でも、あの映画は太平洋戦争の『戦後』を切り離しては「人間の証明」の核心が観る人、読む人に伝わらない。その点で、映画は失敗したと僕は思うのですよう。なぜなら、あの映画を見た人の8割が失望している。 その太平洋戦争の『戦後』とは、いったいどのようなことでござ~♪~ますか?
熊谷空襲
熊谷空襲とは、1945年8月14日23時頃 マリアナ諸島テニアン島の基地より発進したアメリカ陸軍戦略航空軍所属のB-29爆撃機約80機により熊谷市が受けた空襲である。 熊谷が空襲被害を受けた理由はよくわかっておらず、埼玉県の県庁所在地として間違えられたという説がある。 焼夷集束弾や普通爆弾などによりまず市周辺部より、ついで中心部の順で無差別爆撃を受けた。 損害: 市街地の74%が焼失、266人が死亡。 この空襲を元にアニメ映画「最後の空襲…くまがや」(28分)制作されている。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 森村さんは12歳の時に、この熊谷空襲を経験している。実は、森村さんの生家が星川の近くにあった。森村さんは、その痛ましい情景を『熊谷戦災の記録』で次のように書いていますよう。
当時の星川は、今のようにまっすぐの河ではなく、市内を流れる自然のままの曲がりくねった流れであった。
火を避けて、この星川へ逃げ込んだ人達は、ほとんど全員が、翌朝死体となって発見された。 星川の流れが、死体で埋まっていた凄惨な光景は今でも忘れられない。 (中略) 熊谷市は太平洋戦争における最後の犠牲であり、まったく無意味な葬り去られた犠牲の羊(スケープゴート)であったのである。 僕のお袋も森村さんが見た光景を偶然にも見ていたのですよう。 それで、その戦争体験が「人間の証明」と関係あるのですか? そうなのですよう。森村さんの『戦後』の体験が捜査一課の刑事・棟居弘一郎(むねすえこういちろう) という男に結実しているのですよう。 どのようにでござ~♪~ますか? この棟居(むねすえ)という刑事の生い立が次のように書かれているのですよう。
棟居弘一郎は、戦後の混乱の中、小学校教員である父の手一つで育てられた。
母は、早くに父を見捨てて若い将校と駆け落ちし、棟居は顔すら覚えていない。 にもかかわらず、父は愛情をもって棟居を大切に育て、棟居もそんな父に唯一の安らぎを見出していた。 だが、4歳の時、父は棟居の目の前で駐留の米兵によってなぶり殺しにされ、返らぬ人となってしまう。 父が瀕死の重傷を負っても、周りに居た人々は巻き添えを恐れて手一本出さず、警察も力にはなってくれなかった。 棟居の人間に向ける不信と憎悪は、そのとき以来、培われたものである。 刑事は国家権力を背負って犯人を追うことができる。 棟居刑事の屈折した性格が書かれているけれど、物語の進行とともに、彼の性格にも変化が表れてゆくのです。この上の説明の中に出てくる「暴行から救われた若い女性」が、実は、この物語の中のヒロインなんですよう。 つまり、「麦わら帽子」の詩の中の母親でござ~♪~ますか? そうなのですよう。八杉恭子(やすぎきょうこ)という人物です。次期政権リーダーを狙う辣腕代議士・郡陽平の妻として登場するのですよう。セレブの妻というだけでなく、本人もセレブで、現在、ファッションデザイナーとして活躍している。ところが、この恭子には過去がある。ホテルのエレベーターの中で殺されていたハーレム出身の黒人であるジョニー・ヘイワードは、実は、彼女が戦後まもなく黒人の男ともうけた我が子だった。 その我が子・ジョニーが「麦わら帽子」の詩が載っている西条八十詩集を胸に抱いたままエレベーターの中で倒れて死んでいたのでござ~♪~ますか?
そうなのですよう。ジョニーが子供だった頃、黒人の夫とジョニーがアメリカに渡って別れ別れに暮らさなければならないと分かった時、思い出にと親子3人で霧積(きりづみ)温泉へ出かけたことがあったのですよう。しかし、その後、代議士・郡陽平の妻となり、有名デザイナーとなった恭子にとって、それは葬(ほうむ)り去らねばならない暗い過去でしかなかった。 つまり、ジョニーを殺したのは実の母親の恭子さんなのでござ~♪~ますか? そうなのですよう。西条八十の詩と、恭子が買い与えた麦わら帽子こそ、ジョニーにとって「瞼の母」の象徴だったのですよう。 それで、ジョニーはニューヨークからはるばるお母さんに会いたいと日本にやって来たのでござ~♪~ますか? そうなのですよう。日本に居る母に、もう一度会いたいと。。。 でも、有名デザイナーになっている八杉恭子にとって、黒い肌を持った息子は、名声を脅かす邪魔者でしかなかったと言うのでござ~♪~ますか? その通りですよう。この事実を知った棟居刑事はムカつきます。
私はね、このごろジョニーがロイヤルホテルのスカイレストランへ胸にナイフを差し込まれた瀕死の身で上がっていった心根が哀れでたまらなくなったんです。
もの心ついたかつかないころ、父親と母親に連れられて行った霧積(きりづみ)温泉は、ジョニーの記憶に焼き付けられた。 おそらく彼の想い出の中で最も貴重で美しいものだったでしょう。 実の母によって胸に刺し込まれたナイフ。 それを八杉恭子は保身のために虫のように殺してしまったのだ。 棟居の胸に、父と自分を見捨てた生みの母への憎しみが交錯する。 「彼女の中に人間の心が残っているかどうか賭けてみましょうか」 。。。んで、どうなるのでござ~♪~ますか? 棟居刑事は、「麦わら帽子」の詩をもって八杉恭子に迫り、それまでシラをきり続けた恭子も「麦わら帽子」の前についに崩れ落ちるのですよう。 つまり、八杉恭子さんにも母としての心が宿っていたのでござ~♪~ますわね? そうなのですよう。「麦わら帽子」の詩が八杉恭子の心に眠っていた「母の温かい愛」を目覚めさせたのですよう。 それで、デンマンさんは今日の記事のタイトルを「母の証明」にしたのでござ~♪~ますか? そうですよう。「人間の証明」にしたから、観客の焦点がぼやけてしまう。 監督も脚本家も原作もひどいな、これは。
ありえない偶然の連続。
この内容のどこが
「人間の証明」なんでしょう? 「ストウハ」→「ストローハット」→「麦わら帽子」
「キス・ミー」→「霧積温泉」って
超強引な発想の転換が
いともたやすくなされた時点で、
ああこれはサスペンスでも
ミステリー映画でもないんだって
思いっきり興醒め。 もともと推理小説で書く題材ではないのですよう。推理小説として書いたために、観客の焦点は「母の証明」から「謎の証明」に移ってゆく。偶然の連続。超強引な発想の転換!思いっきり興醒め。挙句の果てに次のような感想を漏らす。 この内容のどこが
「人間の証明」なんでしょう? つまり、タイトル負けしてしまった映画なのですか? 僕は、そう思いますよう。でも、原作は意欲にあふれた作品です。戦後のドサクサを少しでも原体験として経験している人には、森村さんの言おうとしていることが理解できると思いますよう。
【卑弥子の独り言】
ですってぇ~。。。 えっ。。。あたくしですか? もちろん、戦後から30年近く経って生まれましたから、 とにかく、デンマンさんが、さらに興味深いお話をなさるそうでござ~♪~ますわ。
ィ~ハァ~♪~! メチャ面白い、
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こんにちは。ジューンです。
日本本土がアメリカ軍の爆撃機によって
空襲を受けた事実は
よく知られていますけれど、
アメリカ本土が日本軍の飛行機によって
爆弾を落とされた事実は
あまり知られていません。
実は、わたしも知りませんでした。
デンマンさんがYouTubeの
動画を探し当てたのです。
「世界超偉人伝説
史上ただひとり米国本土を
爆撃した男伝説」
SF物語でも空想物語でもありません。
史実に基づいて製作された
動画です。次のURLをクリックすると
観ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=s15_hdCEO7I
カリフォルニア州の沿岸に
浮上した潜水艦の甲板で組み立てられた
小型水上飛行機によって
2個の焼夷弾がオレゴン州のブルッキングス市の
近くにある山の中に落とされたのです。
目的は山火事を起こすことでした。
アメリカ本土を爆撃したのは
これが史上初めてで最後でした。
日本軍にとっては不幸にも
オレゴン州民にとっては幸いにも
この焼夷弾は白い煙を立ち上げただけで
山火事は起こりませんでした。
ところで、卑弥子さんが面白い記事をまとめました。
時間があったらぜひ読んでみてくださいね。
では、今日も一日楽しく愉快に
ネットサーフィンしましょうね。
じゃあね。
YouTube 動画
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