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母の証明
2009年8月25日

監督も脚本家も原作もひどいな、これは。

ありえない偶然の連続。

この内容のどこが

「人間の証明」なんでしょう?

「ストウハ」→「ストローハット」→「麦わら帽子」

「キス・ミー」→「霧積温泉」って

超強引な発想の転換が

いともたやすくなされた時点で、

ああこれはサスペンスでも

ミステリー映画でもないんだって

思いっきり興醒め。


『女の証明 (2009年8月21日)』より

デンマンさん。。。また、この酷評を持ち出したのでござ~♪~ますか?

あのねぇ~。。。タイトルを選ぶ事はとっても重要だと僕は思うのですよう。あの松本清張さんもタイトルを選ぶのが名人の域(いき)に達していた、と言われている。森村誠一さんも業界ではタイトルを選ぶのがうまいと言われているのですよう。少なくとも僕はそう書いてある小文を読んだ事がある。確かに、森村さんの作品のタイトルを読んでいると興味をそそられるようなタイトルが多いから、僕も納得できる。

でも、「人間の証明」と言うタイトルには問題があるとデンマンさんはおっしゃるのですか?

そうですよう。半分、成功して、半分、失敗している。

どう言う事でござ~♪~ますか?

僕が「人間の証明」と言うタイトルをおぼろげながらにも記憶していたのは、「人間の条件」を調べている時に出会ったタイトルだったからなのですよう。

Subj:じゃあ、今夜はこれまで...

ジェームズ・ヘリオットさんの本を読みながら

眠ります。。。 \(*^_^*)/ キャハハハ。。。

Date: 10/08/2009 2:28:02 AM
Pacific Daylight Saving Time
(日本時間:8月10日 月曜日 午後6時28分)
From: green@infoseek.jp
To: domini@yahoo.co.jp
CC: barclay1720@aol.com

あのね 霧積(きりづみ)温泉には
デンマンさんが教えてくれた
あの防人の歌の碑は 無いの。

そうですよう。。。そうですよう。。。
霧積温泉という名前を聞いたのも初めてだったけれど、
防人の歌碑が霧積温泉にあるのならば、
僕はこれまでに調べたときに、霧積温泉に出くわしているはずだものね。
だから、不思議に思っていたところです。

碓氷峠の見晴らし台に
「日の暮に うすひの山をこゆる日は
せなのが袖もさやにふらしつ」
があって、

うん、うん、うん。。。。
そうですよう。それは、よく知っています。

そこから 霧積温泉まで 山道で中山道が
今も登山コースになっているの。
あの碑から 昔の人のように3時間下って歩いて
霧積温泉につくの。

3時間も歩くのは大変だね?
でも、軽井沢タリアセン夫人と一緒に歩くのならば
僕は5時間でも6時間でも喜んでお供しますよう!

\(^δ^)/ キャハハハ。。。

「人間の証明」で麦わら帽子を
渓谷で落して亡くした、あのフレーズを
ずーっと 気になっていて やっと 行けました。

この「人間の証明」と麦わら帽子のことでずいぶんと調べましたよう。
森村誠一の推理小説を原作にして1977年に角川春樹が映画を作ったんだよね。
それから、テレビでドラマ化されたり、リメイクの映画が作られたり、
日本ではずいぶんと話題になったということが書いてあった。
僕は1977年頃は海外放浪の真っ最中だったから、日本のことはほとんど知らなかった。

でも、思い出しましたよう。
『人間の条件』を調べている時に、「人間の証明」に出くわしたんですよう。

なぜ麦わら帽子?

森村誠一が小説を書く20年ほど前、大学3年生のときに霧積温泉に行った。
その時に饅頭(まんじゅう)か何かの包み紙に西条八十の「麦わら帽子を 渓谷で落して亡くした」という詩が書いてあった。
それを読んで感動したと言うのですよう。
この詩からインスピレーションをもらって小説「人間の証明」のあらすじが思いついたと書いてあった。
小百合さんのために詩の全文を書き出します。

母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。

母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。


『西条八十詩集』(弥生書房)より

この詩を初めて読んだ時、僕はそれほど感動しなかった。
戦争中、あるいは戦前の言葉遣いだったからかもしれない。
イマイチだった。
でも、批評を読むと、この詩が素晴しいと言う人は多い。

小百合さんはたぶん映画かドラマを見たと思うのだけれど、
原作と比べると映画は良くなかったらしいよう!
感想を拾った見ただけでも実によく分かる。

小百合さんのために書き出します。

《ネタバレ注意!》

1) ストーリーは序盤30分で概ね読めたので、あとはツッコミ入れ放題。
やたら偶然が多く、やたら人が死に、やたら犯人を逃すマヌケ刑事たち…。
展開も荒唐無稽で笑いどころ満載。特に最後の岡田茉莉子の大演説シーン。
あんな爆弾発言したのに客たちは澄まし顔で拍手喝采。
何だそりゃ。万事この調子で安っぽい作りだが、キャストだけは無駄に豪華。
しかし、めぼしい名演はなく、岩城滉一の大根ぶりが最も輝いている。
あと、突然おでん屋に入って都合よく詩について語り合う、秀治と蛾次郎の異色コンビが絵的に珍妙だった。


2) 公開当時のプロモーションの力の入れようを思い出します。
まだ子供やった為、鑑賞はせぇへんかったんですが、あれから30年たった今レビューする事に意味があるのか...
映画の内容は皆さんが書いておられるように、突っ込みどころ満載な話なんやけれども、良くも悪くも角川書店および角川春樹が日本のエンターテイメントに与えた影響のデカさを感じます。
「お母さん、僕のあの帽子...」の詩は、当時子供ですら話題にしていたし、ジョー山中の主題歌も何回もCMで聞いた記憶がある。
「ママ、僕がそんなに憎いのか」と言いながら、刺さったナイフをさらに深く突き刺したお兄ちゃんのシーンだけが、鑑賞後も深く印象に残ってます。


3) むかーし、やたらと話題になったことをうっすらと覚えているのですが鑑賞してみたらこれはちょっとひどいんでないかいと思ってしまった。
突っ込みどころが多すぎるんでいちいち言わないが、全般的に安っぽすぎる。演出も出演者もやる気あったんですかね?
三船敏郎何のために使ったの?あからさますぎるなネームバリュー利用ですな(帝都物語の勝新なみ)。
三船の名前にひかれてみる人もいるんだから、ほんとこういうのやめてほしい。
ストーリーもようわからん。犯人も最初からわかっているみたいなもんでミステリーの体裁もなしてないし。


4) 原作未読。あのファッションショーの意味の無さ、時間の長さは異常ですな。
オールスター出演を楽しむだけの映画でした。


5) 序盤はかなり驚かされました~!!
時代とセンスのなさを感じさせるタイトルのテロップで掴みはOK!
そして長く、意味不明のファッションショーのシーンは今、自分が何を見ているのかを忘れさせてくれる・・長い!長いぞ~!!
さらには、奇跡的なほどの手がかりの発見シーンの連続と、ある意味飽きさせない作りである。w
最後に岩城晃一の演技の酷さに乾杯!


6) 角川映画中後期映画群によって映画の愉しさに目覚めた自分は、当時角川印のいわゆる超大作が公開されるたんび、世論で大バッシングが起きるのを不思議な気持ちで見守ってました。
今回初めて「犬神家」に続くこの鳴り物入り大作を観るに及んで・・・こりゃ春樹プロデューサー、もっと叩かれなくちゃいかんかったわw。
いや監督も脚本家も原作もひどいな、これは。ありえない偶然の連続。
この内容のどこが「人間の証明」なんでしょう?
「ストウハ」→「ストローハット」→「麦わら帽子」「キス・ミー」→「霧積温泉」って超強引な発想の転換がいともたやすくなされた時点で、ああこれはサスペンスでもミステリー映画でもないんだって思いっきり興醒め。
もしかしたら「タモリ倶楽部」の担当者はこの映画によって「空ミミアワー」の企画を思いついたんじゃないのか?
いや絶対そうに違いない!!


7) 原作のドラマ性・キャスト・制作費は糸目がつかないくらいに豪華なのに、肝心の出来はというと、まるで面白くない。
その豪華さとは裏腹に貧相さすら感じる。オープニングのジョー山中の高テンションさと、NYロケの「活かしきれていない感」
ファッションショーのチープさ、ラスト前の独白・喝采の嘘臭さ、自殺容認の根拠のなさと唐突さ、信じられないくらいのラストの刺殺シーンのダサさ、その他諸々、
どうにかならなかったものか。鬼のようにダサい。
「人間の証明」のはずが、豪華さだけで美意識のかけらもない「時代の象徴」に成り下がってしまった、
最高作品になり損ねた時代の徒花的作品。
個人的にはこの作品、野村芳太郎に撮りなおして欲しい。


8) 松田に、三船に、鶴田…。この3人の共演というだけでも観る価値があります。というか、観るべき点はそれぐらいか。
大勢のキャストとストーリーをギッシリ詰め込んで、バタバタと駆け足で進行した印象です。
その割にファッションショーのシーンがダラダラと長いのは不思議でしたが…
ただし、聞きごたえは十分。さすが、大野雄二の音楽はすばらしい。
ちなみに私、封切り30年目にして初めて観ました。
それもギャオさんで。タダならいいか。


9) 「キスミー」へ行くと言い残しニューヨークのハーレムを去ったジョー山中演ずる一人の黒人。
行き先は日本で、ファッションショーが行われるホテルで「ストウハ」という言葉を残して死んでいた(ちょっと『砂の器』っぽい?)。
今後を期待させる冒頭のこのシーン。この映画のサスペスフルな所や、日本とニューヨーク同時進行で進む展開等。
この映画の貴重な要素が分かる一番大事なシーンだ。
このオープニングロールの熱さから、当時の角川映画の気合いを感じ取れる。
この冒頭のジョー山中出演シーンのテンションの高さが、他のシーンに追い付いていないのが残念。


10) 当時、まだ小学低学年だった私の周りの子ども社会にまで「母さん、僕のあの帽子…」のフレーズが轟いてた記憶があるので、世間一般では相当話題になった作品だったんでしょうね。
ちゃんと観たのは大学生の頃で、もう十数年前。結局、ジョー山中の顔と帽子クルクルしか覚えちゃいない。
こないだテレビの深夜放送でやっていたので久しぶりに観たのだが、正直、ミステリーにすらなってないジャン。
“偶然辿り着いたら、その人が犯人だった”なんて…
特にラストは疑問だらけだ。
受賞スピーチの場面では会場がザワザワする演出が欲しかったし、あのスピーチで観客が拍手する筈もあるまい。
重要参考人を会場で確保しない警察なんて有り得ないでしょうに…。
それにしても岩城滉一の演技はヘタすぎる。


11) ストーリーは御都合主義オンパレードだが、出演者が超豪華!
そしてみんな若い!(笑)音楽も手伝って70年代の雰囲気を存分に楽しめる。
当時の流行語にもなりドラえもんにすら引用された「あの麦わら帽子・・・」の詩が鑑賞後にも強烈な印象を残す。


12) チープさも含めて、当時の角川映画の勢いを感じます。
作品そのものははっきり覚えていませんでしたが、CMはものすごい印象的でした。
「かあさん、あの麦藁帽子、どこへいったでしょうねえ」なんて、いまでもわくわくしました。
しかし、作品は今見ると本当にひどい。
魅力的な絵がひとつもない。
監督はやっぱり才能ないなあ。

上の批評・感想を読むと映画の出来はどうやらイマイチだったようだけれど、小百合さんが書いたとおり、「麦わら帽子を 渓谷で落して亡くした」というフレーズは、ずいぶんと有名になったらしいね。
僕は、小百合さんが書いたものを読むまで、まったく知らなかった。
読んだことも聞いたこともない。
ただ、「人間の証明」には、思い当たることがあった。
それで、いつものようにハマリ込んでしまった。

小百合さんのおかげで興味深い記事が書けそうです。
ありがとう!
じゃあ、今夜はこれまで。。。
ジェームズ・ヘリオットさんの本を読みながら眠ります。

(\__/)
(+'.'+)
(")_(")

じゃあねぇ~

Zzzzzz...


『人間の証明 (2009年8月19日)』より

。。。んで、「人間の証明」のどこに問題があるのでござ~♪~ますか?

「人間の条件」と比較されてしまったのではないか?。。。僕は、まずそう思ったのですよう。

「人間の条件」と比較すると、「人間の証明」はイマイチなのでござ~♪~ますか?

あのねぇ~。。。「人間の条件」の映画を観たら次のように言う人はまず居ませんよう!

この内容のどこが

「人間の条件」なんでしょう?

どうしてでござ~♪~ますか?

僕は大学生のころ映画で『人間の条件』の全編を観たのだけれど、まさに「人間の条件とは何か?」を考えさせられながら引き込まれるように観たものですよう。

僕は宮下順子さんのファンでした。
なぜ?
もちろん、僕は他の女優さんが出ているポルノも観たのですよ。
でも、演技力と言うか?悩殺力と言うか?刺激度と言うか?
順子さんの演技を見るのが最もゾクゾクするのですよね。
ボインで肉体美を見せる女優さんではないのですよう。
むしろ平凡な表情で、体も特に素晴しいと言うほどでもない。

でも、裸になって、順子さんが事に及ぼうとすると、僕は吸い込まれるように魅せられたものです。
やっぱり、演技力抜群!と言うのが最も的確な表現のような気がします。
当時はポルノ映画は、もっぱら映画館で観たものです。

小学生の頃はチャンバラ映画でした。
中学、高校の時にはあまり映画を観なかった。
唯一の例外が、高校生の時熊谷の“文映”で観た『ジェームズボンド・ゴールドフィンガー』でした。

大学生の頃と社会人になってからは、もっぱら日活ロマンポルノでした。
唯一の例外は仲代達也さんが主演した『人間の条件』でした。
仙台の1番町にある松竹の映画館で、1部から6部まで、丸1日かかって観たものです。
上映時間がトータルで8時間半だったと思います。
丸1日、映画を観て過ごしたのです。
前にも後にも、8時間以上映画を観続けたことってこの時一度だけです。

前から2列目か3列目の席で、椅子に寝そべるようにして引き込まれるようにして観たのでした。
とにかく、実に感動的な映画で、本当に吸い込まれるようにして観たものです。
観たあと、3日間尻が痛かったことを今でもはっきりと覚えていますよう。


『軽井沢夫人 (2008年7月7日)』より

分かるでしょう?。。。当時は日活ロマンポルノが全盛の頃だったのですよう。真面目な映画を作っても儲からないと言うような風潮があったと思うのですよう。

それなのに、ポルノにハマッていたデンマンさんがどうして『人間の条件』を8時間以上もかけて1日で観る気になったのでござ~♪~ますか?

あのねぇ~、僕が中学1年生の頃だと思うけれど、『人間の条件』をテレビでやったいたのですよう。確か、加藤剛さんと新玉美千代さんが主人公だったと思うのですよう。

日本テレビでやっていたのだと思う。字幕の背景に上のロダンの『接吻』が映し出されていたのを今でもはっきりと覚えていますよう。

つまり、テレビで観ていたので、懐かしくなって、まとめて1日で観る気になったのでござ~♪~ますか?

そうですよう。テレビで観ていた時には毎回見たわけではないから、ぜひ全編を観てみようという気持ちになったのですよう。

五味川純平(ごみかわじゅんぺい)さんの原作も読んだのでござ~♪~ますか?

読みましたよう。高校生の時でした。

。。。んで、全編を8時間以上かけて観て感動したのでござ~♪~ますか?

感動しましたよう。

つまり、『人間の条件』というタイトルに負けないほど感動を与える映画だったのでござ~♪~ますか?

そうですよう。「人間の条件とは何か?」を考えさせてくれる8時間以上の大作だったのですよう。あの映画を8時間かけて観終わって、次のように言ったとしたら、その言った人が大馬鹿者ですよう。

この内容のどこが

「人間の条件」なんでしょう?

でも、中には、そのような感想をもらした人が居たかも知れませんわ。

あのねぇ~、もし、そう思ったら8時間も映画館の中でつまらない思いをせずに途中で出てしまいますよう。

それも、そうですわねぇ~。。。おほほほほ。。。つまり、「人間の証明」と言う映画はタイトル負けをしていたのでござ~ますか?

そう思いますよう。だから、次のようなことを言う観客が居たのですよう。

この内容のどこが

「人間の証明」なんでしょう?

デンマンさんは、どう思うのでござ~♪~ますか?

上の感想を漏らした人ばかりでなく、映画の感想を読むと、10人のうち8人までが失望しているのですよう。つまり、映画は原作の核心を観客に伝えることに失敗したことが実に良く分かるのですよう。

『人間の条件』は核心を伝えていたのですか?

8時間以上の大作ですからね。つまらない映画だったら、僕も途中で退場していましたよう。観る人の心を充分に惹きつけるだけの魅力ある映画だったのですよう。あんまり引き込まれて観続けたので、僕は映画を観た後で1週間ばかり尻が痛かったのですよう。うしししし。。。

マジで。。。?

もちろん、悪い冗談ではありません。8時間以上映画を観続けたなんて、その時が最初で最後でしたよう。

。。。んで、「人間の証明」の映画は、どこがいけなかったのでござ~♪~ますか?

司馬遼太郎先生の言葉をもう一度思い出してください。

“作品は作者だけのものと違うんやでぇ~。。。

作者が50%で読者が50%。。。

そうして出来上がるモンが作品なんやでぇ~”


『恋に身を焼く (2009年7月19日)』より

つまり、直接的にも間接的にも、何らかの方法で森村さんが体験したような戦争体験を持たないと、「人間の証明」の核心が理解できないとデンマンさんはおっしゃるのでござ~♪~ますか?

そうですよう。あの映画では、森村さんが体験したような戦争体験が観客に伝わらなかったのですよう。

でも、「人間の証明」は戦争とは直接関係ないのでしょう?

もちろん、戦争を描いている映画じゃない。でも、あの映画は太平洋戦争の『戦後』を切り離しては「人間の証明」の核心が観る人、読む人に伝わらない。その点で、映画は失敗したと僕は思うのですよう。なぜなら、あの映画を見た人の8割が失望している。

その太平洋戦争の『戦後』とは、いったいどのようなことでござ~♪~ますか?

熊谷空襲

熊谷空襲とは、1945年8月14日23時頃 マリアナ諸島テニアン島の基地より発進したアメリカ陸軍戦略航空軍所属のB-29爆撃機約80機により熊谷市が受けた空襲である。
太平洋戦争最後の空襲となった。
この空襲は埼玉県においては、最大規模の空襲であり、埼玉県内唯一の戦災指定都市となった。

熊谷が空襲被害を受けた理由はよくわかっておらず、埼玉県の県庁所在地として間違えられたという説がある。
当時の県庁所在地は浦和市(現・さいたま市)。
ただし、明治時代初期に3年間という短命ながら存在していた熊谷県時代は県庁所在地であった。
また、大規模軍需工場があると思い込まれた(そのような事実は無い)説がある。
地元では、熊谷陸軍飛行学校で多数の特攻部隊搭乗員が養成され、米軍に多大な被害をもたらしたのでその報復と考える人が多い。

焼夷集束弾や普通爆弾などによりまず市周辺部より、ついで中心部の順で無差別爆撃を受けた。
この逃げ道を火の海にして退路を塞ぐ攻撃法は日本本土空襲でのアメリカ軍の常套手段であった。
(確実に市民を殺傷するため)

損害: 市街地の74%が焼失、266人が死亡。
   (死傷者687人)

この空襲を元にアニメ映画「最後の空襲…くまがや」(28分)制作されている。
(埼玉県平和資料館で上映されている)
毎年8月16日に特に被害の大きかった市内中心部星川通りで灯籠流しが行われる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『女の証明 (2009年8月21日)』より

森村さんは12歳の時に、この熊谷空襲を経験している。実は、森村さんの生家が星川の近くにあった。森村さんは、その痛ましい情景を『熊谷戦災の記録』で次のように書いていますよう。

当時の星川は、今のようにまっすぐの河ではなく、市内を流れる自然のままの曲がりくねった流れであった。
火を避けて、この星川へ逃げ込んだ人達は、ほとんど全員が、翌朝死体となって発見された。
星川の流れが、死体で埋まっていた凄惨な光景は今でも忘れられない。

(中略)

熊谷市は太平洋戦争における最後の犠牲であり、まったく無意味な葬り去られた犠牲の羊(スケープゴート)であったのである。


『女の証明 (2009年8月21日)』より

僕のお袋も森村さんが見た光景を偶然にも見ていたのですよう。

それで、その戦争体験が「人間の証明」と関係あるのですか?

そうなのですよう。森村さんの『戦後』の体験が捜査一課の刑事・棟居弘一郎(むねすえこういちろう) という男に結実しているのですよう。

どのようにでござ~♪~ますか?

この棟居(むねすえ)という刑事の生い立が次のように書かれているのですよう。

棟居弘一郎は、戦後の混乱の中、小学校教員である父の手一つで育てられた。
母は、早くに父を見捨てて若い将校と駆け落ちし、棟居は顔すら覚えていない。
にもかかわらず、父は愛情をもって棟居を大切に育て、棟居もそんな父に唯一の安らぎを見出していた。

だが、4歳の時、父は棟居の目の前で駐留の米兵によってなぶり殺しにされ、返らぬ人となってしまう。
荒くれの米兵たちに暴行されかかった若い日本女性を救おうとしたのが原因だった。

父が瀕死の重傷を負っても、周りに居た人々は巻き添えを恐れて手一本出さず、警察も力にはなってくれなかった。
そして、暴行から救われた若い女性は、父に礼を言うことも、助けを求めることさえせず、我先にその場から逃げだしてしまう。

棟居の人間に向ける不信と憎悪は、そのとき以来、培われたものである。
敵の顔と名前を一人一人おぼえているわけではない。
母の顔すら知らない。
だから彼の怨敵は、あのとき居合わせた米兵、群衆、若い女、警官、そして医師と母に代表される人間のすべてであった。
彼は、相手が人間ならだれでもいい、一人一人ゆっくり復讐してやるつもりだった。

刑事は国家権力を背負って犯人を追うことができる。
社会正義のためではなく、人間をもはやどう逃れようもない窮地に追い込んで、その絶望やあがき苦しむ様をじっくりと見つめてやりたい。
復讐だから、要は、追いつめた相手をできるだけ苦しませればよいのだ。

棟居刑事の屈折した性格が書かれているけれど、物語の進行とともに、彼の性格にも変化が表れてゆくのです。この上の説明の中に出てくる「暴行から救われた若い女性」が、実は、この物語の中のヒロインなんですよう。

つまり、「麦わら帽子」の詩の中の母親でござ~♪~ますか?

そうなのですよう。八杉恭子(やすぎきょうこ)という人物です。次期政権リーダーを狙う辣腕代議士・郡陽平の妻として登場するのですよう。セレブの妻というだけでなく、本人もセレブで、現在、ファッションデザイナーとして活躍している。ところが、この恭子には過去がある。ホテルのエレベーターの中で殺されていたハーレム出身の黒人であるジョニー・ヘイワードは、実は、彼女が戦後まもなく黒人の男ともうけた我が子だった。

その我が子・ジョニーが「麦わら帽子」の詩が載っている西条八十詩集を胸に抱いたままエレベーターの中で倒れて死んでいたのでござ~♪~ますか?

そうなのですよう。ジョニーが子供だった頃、黒人の夫とジョニーがアメリカに渡って別れ別れに暮らさなければならないと分かった時、思い出にと親子3人で霧積(きりづみ)温泉へ出かけたことがあったのですよう。しかし、その後、代議士・郡陽平の妻となり、有名デザイナーとなった恭子にとって、それは葬(ほうむ)り去らねばならない暗い過去でしかなかった。

つまり、ジョニーを殺したのは実の母親の恭子さんなのでござ~♪~ますか?

そうなのですよう。西条八十の詩と、恭子が買い与えた麦わら帽子こそ、ジョニーにとって「瞼の母」の象徴だったのですよう。

それで、ジョニーはニューヨークからはるばるお母さんに会いたいと日本にやって来たのでござ~♪~ますか?

そうなのですよう。日本に居る母に、もう一度会いたいと。。。

でも、有名デザイナーになっている八杉恭子にとって、黒い肌を持った息子は、名声を脅かす邪魔者でしかなかったと言うのでござ~♪~ますか?

その通りですよう。この事実を知った棟居刑事はムカつきます。

私はね、このごろジョニーがロイヤルホテルのスカイレストランへ胸にナイフを差し込まれた瀕死の身で上がっていった心根が哀れでたまらなくなったんです。
もの心ついたかつかないころ、父親と母親に連れられて行った霧積(きりづみ)温泉は、ジョニーの記憶に焼き付けられた。
おそらく彼の想い出の中で最も貴重で美しいものだったでしょう。

実の母によって胸に刺し込まれたナイフ。
これがはるばる日本へ母をたずねて来て得たものか。
ジョニーはどんなに絶望的なおもいでナイフを受けとめたことだろう。

それを八杉恭子は保身のために虫のように殺してしまったのだ。
自分の腹を痛めた子供を殺したんだ。
私はあの女が憎い。彼女は人間じゃない。母親の仮面を着た獣なんだ。
あの女には、人間の心なんかないんだ

棟居の胸に、父と自分を見捨てた生みの母への憎しみが交錯する。
そんな棟居は、捜査部長に申し出る。

「彼女の中に人間の心が残っているかどうか賭けてみましょうか」
「人間を賭ける?」
「八杉恭子にもし人間の心が残っていれば、必ず自供せずにはいられないように追い込んでみるのです」
「どういう風にするつもりだ?」
「麦わら帽子を彼女にぶつけてみたいのです。私も、幼いころに母親から捨てられたのです。私は、自分を捨てた母が憎い。でもその憎しみの底に、母を信じようとする心があるのです。いや、母を信じたい。八杉恭子の中にも、きっと母親の心があるはずです。私はそこに賭けたいのです。人の子の母ならば、きっと自供するはずです。私は、自分を捨てた母親と対決するような気持ちで、八杉恭子と対決してみたいのです」

。。。んで、どうなるのでござ~♪~ますか?

棟居刑事は、「麦わら帽子」の詩をもって八杉恭子に迫り、それまでシラをきり続けた恭子も「麦わら帽子」の前についに崩れ落ちるのですよう。

つまり、八杉恭子さんにも母としての心が宿っていたのでござ~♪~ますわね?

そうなのですよう。「麦わら帽子」の詩が八杉恭子の心に眠っていた「母の温かい愛」を目覚めさせたのですよう。

それで、デンマンさんは今日の記事のタイトルを「母の証明」にしたのでござ~♪~ますか?

そうですよう。「人間の証明」にしたから、観客の焦点がぼやけてしまう。

監督も脚本家も原作もひどいな、これは。

ありえない偶然の連続。

この内容のどこが

「人間の証明」なんでしょう?

「ストウハ」→「ストローハット」→「麦わら帽子」

「キス・ミー」→「霧積温泉」って

超強引な発想の転換が

いともたやすくなされた時点で、

ああこれはサスペンスでも

ミステリー映画でもないんだって

思いっきり興醒め。

もともと推理小説で書く題材ではないのですよう。推理小説として書いたために、観客の焦点は「母の証明」から「謎の証明」に移ってゆく。偶然の連続。超強引な発想の転換!思いっきり興醒め。挙句の果てに次のような感想を漏らす。

この内容のどこが

「人間の証明」なんでしょう?

つまり、タイトル負けしてしまった映画なのですか?

僕は、そう思いますよう。でも、原作は意欲にあふれた作品です。戦後のドサクサを少しでも原体験として経験している人には、森村さんの言おうとしていることが理解できると思いますよう。

【卑弥子の独り言】

ですってぇ~。。。
あなたには戦後のドサクサさの原体験がおありですか?

えっ。。。あたくしですか?

もちろん、戦後から30年近く経って生まれましたから、
あたくしには戦後間もない記憶などまったくありません。
でも父や母は、森村さんと同じ世代です。
あたくしも父や母からその当時のお話を聞いたことがありますわ。
だから、少しは「人間の証明」を理解しているつもりです。

とにかく、デンマンさんが、さらに興味深いお話をなさるそうでござ~♪~ますわ。
どうか、あなたも、またあさって読みに戻ってきてくださいましね。
では、またねぇ。。。

ィ~ハァ~♪~!

メチャ面白い、

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『欺瞞の罠 (2009年5月16日)』

『馬鹿の一つ覚え (2009年5月22日)』

『立派な反面教師 (2009年5月29日)』

『社会的自我の欠如 (2009年5月30日)』

『原人ブームと漢字馬鹿 (2009年6月5日)』

『また、オマエか! (2009年7月3日)』

『成りすまし馬鹿 (2009年7月5日)』

『スカンクと宮本武蔵 (2009年7月6日)』

『絶望的な愚か者 (2009年7月7日)』

こんにちは。ジューンです。

日本本土がアメリカ軍の爆撃機によって

空襲を受けた事実は

よく知られていますけれど、

アメリカ本土が日本軍の飛行機によって

爆弾を落とされた事実は

あまり知られていません。

実は、わたしも知りませんでした。

デンマンさんがYouTubeの

動画を探し当てたのです。

「世界超偉人伝説

史上ただひとり米国本土を

爆撃した男伝説」

SF物語でも空想物語でもありません。

史実に基づいて製作された

動画です。次のURLをクリックすると

観ることができます。

http://www.youtube.com/watch?v=s15_hdCEO7I

カリフォルニア州の沿岸に

浮上した潜水艦の甲板で組み立てられた

小型水上飛行機によって

2個の焼夷弾がオレゴン州のブルッキングス市の

近くにある山の中に落とされたのです。

目的は山火事を起こすことでした。

アメリカ本土を爆撃したのは

これが史上初めてで最後でした。

日本軍にとっては不幸にも

オレゴン州民にとっては幸いにも

この焼夷弾は白い煙を立ち上げただけで

山火事は起こりませんでした。

ところで、卑弥子さんが面白い記事をまとめました。

時間があったらぜひ読んでみてくださいね。

■ 『笑って幸せな気分になれるサイト』

では、今日も一日楽しく愉快に

ネットサーフィンしましょうね。

じゃあね。


 





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